Lace dolls
レースドールは18世紀に、ヨーロッパの陶芸地として名高いドイツのマイセンやドレスデンで王侯貴族への献上品として製作が始まった伝統的陶磁器人形で、磁器粘土でできた人形型に、レースや布に特殊な液状磁器土を染み込ませて飾り付け、1200度前後の高温焼成を重ねて布地を消失させ磁器土だけを残す技法です。
Bisque dolls
ビスクドールは、19世紀にヨーロッパの貴婦人・令嬢たちの間で流行した人形です。ビスクドールの「ビスク」とは、お菓子のビスケットと同じく、フランス語の「ビスキュイ(biscuit)=二度焼き」が語源です。磁器製であったことに端を発して、チャイナドール(ポーセリン人形・磁器人形)、また、アンティーク・ドールとも呼ばれています。ここにご紹介するビスクドールの衣装は全て母の手製で、洋裁の技術も発揮されています。
Porcelain arts
ポーセリンアートは磁器(porcelain)とアート(art)を合わせた造語で、ティーカップやプレートなどの白磁に、絵の具で絵付けして模様を描く工芸品です。ヨーロッパでは、ウェッジウッド、マイセン、ロイヤルコペンハーゲンなどが有名で、母はヨーロッパ旅行の際にこれらの名産地を訪れており、ロイヤルコペンハーゲンでは、現地の職人さんに、絵筆の先端部の使い方を学んだこともありました。
有田焼
有田焼(ありたやき)は、佐賀県有田町を中心に焼かれる磁器で、伊万里焼とも呼ばれています。17世紀に日本で初めて磁器が焼かれた産地であり、今日まで生産が続けられています。母は、自宅に電気製の窯を置き、絵付けだけでなく、実際に窯で焼く作業も行っていました。母の諸作品の中では、この有田焼の点数が最も多く、観賞用と並んで、実際に日常生活で使えるものもかなりの数を制作しています。




